御室八十八ヶ所霊場(OMURO88)とは?

御室八十八ヶ所霊場(OMURO88)って、いったいなんなんだろうなーと思ったので、まとめてみたいと思います。

仁和寺の裏にある成就山には、88個の御堂がありますが、その御堂は四国八十八ヶ所霊場(お遍路)のすべての御堂からお砂をもらって、すべての御堂1か所ずつにお砂とご本尊を納めたもの。

約2時間(約3キロの山道)の道のりを巡ることで結願成就となり、四国八十八ヶ所霊場を巡礼したのと同じご利益を得ることができるといわれています。

四国88箇所のお遍路は、徒歩だと40日程度、車やバスを利用する場合でも、10日程度はかかる行程なので(熟練者は5日で巡るそうです)

それを2時間で巡れるというのは、すごいですよね!

成就山にあるので、成就山八十八ヶ所とも言われるそうです。

だれがいつなんのために始めたのか、気になりますよね。

文政10年(1827年)に、仁和寺第29世門跡(もんせき:皇族・公家が住職を務める特定の寺院、あるいはその住職のこと)であった、不壊身院御室・済仁法親王四国八十八箇所を巡拝できない人々のために発願し

寺侍(格式の高い寺院に仕え、寺務に従事した侍)に命じて、四国八十八箇所の各札所の砂を持ち帰らせて

仁和寺境内の成就山に四国八十八箇所を模して同じ数の88宇の御堂を設けて、持ち帰らせた砂を設けたお堂に埋めたことが起源とされているそうです。

済仁法親王が、1827年に、四国八十八箇所を巡拝できない人のために作ったということですね。

現在は一般向けに、「京都でできる、一日お遍路」と称して案内されていたり

仁和寺主催で「仁和寺 成就山八十八ヶ所ウォーク」というスタンプラリー形式のハイキングイベントも行われているようです。

実際に88宇の御堂を巡ってみましたが、途中「え、これ本当に道なの?」というところや、御堂に上がるための階段が明らかに欠けているところ

再建のために取り壊されていたり、崩れかけているために近づけないようになっている御堂もいくつかありました。

これはたしかに整備が必要だなっていう状態です。

そんな昔からそのままの姿というのも面白い部分ではありますが、七年かけて整備されたOMURO88がどのような姿になるのかも、とても楽しみです。

きっときれいに整備されるのでしょうし、一度整備前に、元々の状態を確認しておくのも、面白いと思います。

ちなみに、巡礼中は若い人には全然出会わず(たまにランニングしている人がいましたが)、おじちゃんおばちゃんばかり。皆さん元気です。

景色がいい絶景ポイントでは「あれが〇〇山だよ」と教えてくれたり、すれ違う時には挨拶をしてくれたり、優しい方が多かったです。

空気もとてもきれいで、ゆっくりハイキングしながら、楽しく巡ることができました。

一年に一回ぐらいは行ってもいいかも。

興味がある方は、ぜひ遊びに行ってみてくださいね。